お姉ちゃんはいつもお母さんに怯えてた
記憶の中のお姉ちゃん
下を向いて暗い顔をしている
姉はいつも母親の機嫌を気にしてた
「ねぇ奈々、なんでお母さん今怒ってるか、理由わかる?」
っていつもいつも聞いてきて焦った顔をしていた
母はしょっちゅう機嫌が悪くなり、姉はいつも母の機嫌に怯えていた
怒っている理由がわからないのがほとんどだった
暴力をふるうことはなかったが、怒った顔はとても怖く、母のバン!バン!という生活音の大きさにビクビクした(これってある意味暴力だな)
本当に怒る訳がわからない
母は自分の誕生日になると、毎年決まって不機嫌になったんだけど、子どもにとってみれば謎でしかなかった
子どもたち3人で誕生日プレゼントをあげようとすると「いらん」って怒った顔して断られた強烈な記憶がある
子どもからのプレゼントをだよ?
大好きなお母さんへのプレゼントを「いらん」って、ひどいよ
ある日は昼食のカップラーメンを作る母の手伝いをしていたら、食べるときに粉が違っていたのか、パッケージと違う味がして、ん?なんか味が違うって言ったら、大きな声で「ほらみてみぃ!いい加減にやるとこういうことになるんや!わかったか!」っていきなり怒り出した
子どもたち、ぽっかーん(笑)
小さな子どもがさ、カップラーメンの粉を間違えたくらいで
大声あげて怖い顔して怒鳴らなくてもよくないか?
いい加減にするわけないじゃない
あなたのためで子どもたちみんな、慎重に慎重に間違えないようにってすごーく慎重に行動するようになったんだから
怒るから怖い、じゃないの
怒る(キレる)ところがわからないからめちゃくちゃ怖いの
怒るスイッチをいつどんなことで押してしまうか予想できないから、全ての行動にドキドキするの
怒る理由がわからない、怒るスイッチがわからない、いつも母は不機嫌
子どもたちは母の機嫌ばかりうかがい、
怒らせないように、子どものころからひどく気をつかってた
だから、私たち三人のきょうだいは子どものころから周りに合わせて自分を抑えこむことを覚えそのまま大人になった
そんな家で調子を悪くしたのは姉だった
姉は精神障害者になった
私の中で何よりも一番悲しい事実
一番悲しいから思い出すのがつらい事実